今回ご紹介する車は三菱のデリカD:5です。デリカD:5は国産ミニバンのなかで、他の車種と一風変わったデザインとコンセプトで人気のあるミドルサイズのSUVミニバンです。
SUVと聞くと皆さんはどんな車を思い浮かべるでしょうか。トヨタのハリアーやホンダのヴェゼルなど今をときめく人気車種を想像した人は多いのではないでしょうか。実はデリカD:5もSUVの仲間なのです。
「いやいや、SUVじゃないでしょ。どう見てもミニバンじゃないの?」
そんな声が聞こえてきそうですが、ミニバンに悪路走破性能を追加したSUVミニバンという独自のスタイルを確立しているのが、今回のご紹介するデリカD:5です。ミニバンの性能はもちろんのこと、アクティブに車を使いたい!という人はぜひ最後までご覧いただければと思います。
忙しい人はここだけ読めばOK!デリカD:5ってどんな車?
デリカD:5のグッドポイント!
- 唯一無二のデザイン
- ミニバンなのに荒れた道や多少の水たまりなども走破可能!
- 街に走っている数が少ないので人とかぶりにくい
- ディーゼルエンジンはパワー◎
キャンプなどのアウトドアを楽しむ人には、非常に人気が高い車種です。オートキャンプ場などでは頻繁に見かけますね。
唯一無二のデザイン
デリカD:5のデザインは特徴も相まって非常に独特なデザインをしています。三菱らしいダイナミックなフロントフェイスに、大きなヘッドライトはひと目でデリカD:5とわかるデザインをしています。
ミニバンなのに荒れた道や多少の水たまりなども走破可能!
ミニバンというと子供の送り迎えや、週末の旅行にお買い物、活躍シーンは多いですが、SUVの特性も併せ持つデリカD:5なら、悪路もなんなく走行できます。
もちろん他の車種でも走れないことはないですが、ぬかるんだ道や凸凹道ではどうしても限界があります。しかし、デリカD:5は最低地上高が高く、もともと悪路走行も視野にいれて開発されているのでどんなシーンでも家族を安全に目的地まで運んでくれます。
街に走っている数が少ないので人とかぶりにくい
デリカD:5は人気はあるものの、営業力の影響なのかトヨタや日産の人気車種と比べると販売台数は今一つ。デリカD:5が登場した2007年からずいぶんと年月がたっていますが、街で見かける機会は少ない車種です。ミニバンは街に多く走っていますし、隣の家が同じ車という場面もよくみかけます。デリカD:5であればひととかぶりにくいので、人と一緒は嫌という方にもおすすめです。
ディーゼルエンジンはパワー◎
デリカD:5のエンジンは2.2Lのディーゼルエンジンです。
レギュラーガソリンではなく、軽油を使用し走行します。軽油はレギュラーガソリンに比べ価格が安い上にパワーがあるので力強い走りをしてくれます!
デリカD:5のここはイマイチ!なポイント
- デザインが振り切りすぎていて好き嫌いが分かれる
- 3列目のシートが重すぎて収納が男性でも苦労する
- 先進機能が他社と比べて大きく劣っている
- 車高が高いので走行性能や乗り心地はイマイチ
デザインが振り切りすぎていて好き嫌いが分かれる
先に述べたデザインの独自性はひとによってはデメリットになる可能性も秘めています。
デリカD:5の大胆で押し出し感の強いデザインは好き嫌いがはっきりと出るデザインといえるでしょう。
3列目のシートが重すぎて収納が男性でも苦労する
デリカD:5の3列目シートは非常に重く、収納させる気がないのかな?とも感じるほどです。
男性の力でも重量をしっかりと感じる重さなので、女性が一人で収納するには重すぎるかと、、、
ミニバンということもあり、3列目を収納して荷物を置く場面も多くあるかと思いますので、ここは改善ポイントであるといえます。
先進機能が他社と比べて大きく劣っている
デリカD:5には最低限の安全装備、先進機能は備わっていますが、他社のライバル車に比べると若干物足りない感は否めません。
例えば、後方の誤発進抑制機能が備わらない点や、レーンキープアシストがなぜか警告音だけといったところに見劣りを感じます。さらに、バックカメラもPグレード以外はオプション設定となっています。
車高が高いので走行性能や乗り心地はイマイチ
デリカD:5は悪路走行を可能にしている車高の高さの影響で、通常時の乗り心地は決していいとは言えません。
重心が高い分、カーブの不安定さやふわふわとした乗り心地は、マイナスポイントでしょう。
デリカD:5のエクステリア・インテリアデザイン
2019年2月に導入する「デリカD:5」のデザインコンセプトは「TOUGH TO BE GENTLE」、三菱車の特徴である「ダイナミックシールド」を取り入れ、オールラウンドミニバンであるデリカのキャラクターを表現しています。
エクステリアデザイン
ダイナミックシールドは、人とクルマを守る安心感と力強い性能を表現した三菱車のアイデンティティであり、「形は機能に従う」という考え方に基づくデザインコンセプトです。
「ダイナミックシールド」は人とクルマを守るプロテクター、バンパーの保護機能、高性能なパフォーマンスを表現する三菱自動車の象徴とも言えるデザインです。
また、LEDライトやシャープなコーナーデザインがモダンな雰囲気を醸し出し、洗練された雰囲気を演出しています。力強さと存在感、そして優しさを併せ持つデザインは、デリカの進化を象徴しています。
デリカD5のインテリアはどんな感じ?内装と装備を解説!
ここからはデリカD5の内装について解説していきます。
デリカD:5・M
エントリーグレードの「M」は、価格を抑えた8人乗りグレードですが、本革巻きステアリングホイールや本革巻きシフトレバーなど、上質なインテリアを採用しています。
運転席シートハイトアジャスターを装備していますが、オプションでも電動パワーシートは選べません。
また、シートヒーターもこのグレードには設定されていません。
安全装備のe-Assistが搭載されているため、車線逸脱警報システムや衝突被害軽減ブレーキシステムが搭載されています。
ただし、後方車両検知警報システム、後側方車両検知警報システムは搭載されていませんので、充実した装備を期待する方はご注意ください。
デリカD:5・G
このグレードから、7人乗りと8人乗りが選べるようになります。
インテリアの違いとして、運転席側電動スライドドア、アクセサリーコンセントがあります。
ステアリングホイールや運転席・助手席シートヒーターはオプション装備です。
また、60,500円のオプションとして、周囲の状況を確認できるマルチアラウンドモニターと自動防眩ルームミラーを設定。プリクラッシュシステム、レーンディパーチャーアラート、スピードリミットインフォメーション機能など、安全性を高めるオプションが充実した「G」グレード。
デリカD:5・G-Power Package
ステアリングヒーター、運転席パワーシート、運転席・助手席シートヒーターが標準装備となります。荷物の積み下ろしを容易にする電動テールゲートが装備されます。電動サイドステップも標準装備され、ファミリーカーとしても使いやすくなります。
さらに、7人乗り仕様では、中央の2列の間に収納スペースを設け、必要なものを簡単に持ち運べるようにしました。
デリカD:5・P
最上級グレードの「P」には、天井照明用のルーフビームガーニッシュを標準装備しています。インテリアは、「G-Power Package」との違いはほとんどありませんが、アウタードアハンドルとターンシグナル付電動格納式リモコンドアミラーがメッキ仕様となっています。機能面では、後方車両検知警報システム、後方車両検知警報システムを設定し、安全運転をサポートします。
この特別なモデルは、リア自動ブレーキシステム、ハイビームアシスト、エマージェンシーストップシグナルなど、車両に充実した安全装備を求める方にお勧めします。
デリカを購入するにはいくら必要?グレードと価格を解説!
デリカD:5の価格は以下の通りです。
デリカD:5 | |
M | 3,913,800円 |
G-Power Package | 4,251,500円 |
G | 4,015,000円 |
P | 4,387,900円 |
デリカD:5 アーバンギア | |
G | 4,142,600円 |
G-Power Package | 4,379,100円 |
P Edition | 4,489,100円 |
実際に購入するならいくら用意すればいい?
ここからはデリカD:5を購入するにはどれくらい必要なのかを、人気のあるG-Power Packageを例に紹介していきます。
「G-Power Package」の支払い例
本体価格:4,151,500円(税込)
オプション込みでの総額:4,501,500円(税込)
【追加オプション】
・マットバイザー
・フルセグナビ
・ETC
・コーティング
・メンテナンスパック
購入時に必要なオプションは?オススメオプションをご紹介!
純正ナビ装着パッケージI+後席モニター装着パッケージ
デリカD:5には7種類のパッケージ型メーカーオプションが用意されていますが、特におすすめなのが「G」「M」グレードに設定されている
「純正ナビ装着パッケージI+後席モニター装着パッケージ」です。このパッケージは、運転席パワーシートと運転席・助手席シートヒーターがセットになっています。運転席パワーシートは、スイッチひとつでスライド、リクライニング、高さ、チルトの調整が可能で、手動で調整するよりもはるかに簡単で快適というメリットがあります。
また、運転席・助手席シートヒーターは、スイッチを入れると速やかにシートとシートバックを温め、冬場の快適性を大幅に向上させます。このパッケージは、ドライバーの快適性を高めるだけでなく、あなたと同乗者をA地点からB地点まで迅速かつ安全に移動させることで、時間の節約にも貢献することができます。さらに、空調や快適性も向上させ、24,840円というお買い得なパッケージです。
デリカD5の維持費はどのくらい?燃費と維持費を解説
ここではデリカD5の維持費や燃費について解説していきます。
デリカD:5のカタログ燃費(2022年9月)
デリカD:5とアーバンギアの燃費は、どちらもJC08モードで13.6km/L、WLTCモードで12.6km/Lと同じです。ミニバンとしては燃費が悪いと思われるかもしれませんが、一般的にガソリンより安価な軽油を使用しています。しかも、デリカはパワフルでありながら環境に配慮したクリーンディーゼルエンジンを搭載しています。
年間の燃費費
デリカのカタログ燃費WLTCモード12.6km/Lをもとに、ガソリン価格150円/L、月間走行距離1000㎞で計算してみましょう。走行距離÷燃費×軽油代で計算してみると、1000÷12.6×150=11,904です。この結果から、デリカの年間の燃料費は約142,857円となります。
デリカD5の安全性能は?ボディの性能と予防安全装置をご紹介!
ここではデリカD5の安全性能について解説していきます。
アクティブスタビリティコントロール
四輪ブレーキ、エンジン、4WDシステムを統合制御することで、スリップを防ぎ、安定した走りをサポートします。雪道やぬかるみなど、滑りやすい路面で走り出すと、グリップが効かず、なかなか前に進めないことがあります。
このシステムの機能により、滑っているタイヤを感知して、そのタイヤにブレーキをかけ、駆動力の低下を防止します。また、エンジンやトランスミッションを制御して、よりスムーズな発進をサポートします。
ABS(EBD付き)
高速走行時のスリップや急ブレーキ時のタイヤロックを防ぎ、ステアリング操作による危険回避能力を向上させます。
また、乗員や積載量に応じてブレーキバランスを自動調整するEBDや、急ブレーキ時に制動力を高めるブレーキアシスト機能も搭載しています。これらの機能を組み合わせることで、ドライバーは常にコントロールすることができ、比類ない安全性と安心感をオーナーに提供することができます。
専門用語が並ぶと難しく感じるかもしれませんが、エンジニアでなくてもこれらの機能の重要性と価値を理解することができます。一言で言えば、アンチロック・ブレーキは急ブレーキをかけたときに、コントロールしやすい状態を維持するのに役立ちます。
また、EBDは車重に応じて効率的にブレーキ力を再配分することで、重い荷物を積んでいても安全に停止することができます。
衝突安全強化ボディ
衝突事故が発生した場合、十分な乗員スペースを確保することが非常に重要です。そこで三菱は、デリカD:5に独自の衝突安全強化ボディ「ライズ」を採用し、万が一の衝突時に乗員を確実に保護する設計としました。
フロント、オフセット、サイド、リアの全方向から高いエネルギーを吸収して車内構造を補強する構造で、衝撃による負傷のリスクを低減し、より安全なドライブを促進します。
テストやシミュレーションでは、他社を圧倒する性能と独自の安心感が実証されており、安心して旅に出ることができます。
デリカD:5の主要スペック表
M | G | G-Power Package | P | |
駆動方式 | 4WD | 4WD | 4WD | 4WD |
車輌型式 | 3DA-CV1W | 3DA-CV1W | 3DA-CV1W | 3DA-CV1W |
メーカー希望小売価格 | 400万1800円 | 410万3000円 | 433万9500円 | 447万5900円 |
全長 | 4800mm | 4800mm | 4800mm | 4800mm |
全幅 | 1795mm | 1795mm | 1795mm | 1795mm |
全高 | 1875mm | 1875mm | 1875mm | 1875mm |
ホイールベース | 2850mm | 2850mm | 2850mm | 2850mm |
最低地上高 | 185mm | 185mm | 185mm | 185mm |
車両重量 | 1930kg | 1940kg | 1970kg | 1970kg |
定員 | 8名 | 7名 | 7名 | 7名 |
室内長 | 2980mm | 2980mm | 2980mm | 2980mm |
室内幅 | 1505mm | 1505mm | 1505mm | 1505mm |
室内高 | 1310mm | 1310mm | 1310mm | 1310mm |
総排気量 | 2267cc | 2267cc | 2267cc | 2267cc |
燃料タンク容量 | 64L | 64L | 64L | 64L |
燃費 | 12.6km/L | 12.6km/L | 12.6km/L | 12.6km/L |
最小回転半径 | 5.6m | 5.6m | 5.6m | 5.6m |
タイヤ | 215/70R16 | 225/55R18 | 225/55R18 | 225/55R18 |
ミニバン市場はライバルとの競争が激化!デリカD5と争う車種はどんな車種?
ここからはデリカD5のライバルとも言える車種について紹介していきます。
ノア
ノアは、トヨタ自動車が販売するミドルサイズミニバンです。
トヨタのヴォクシーの兄弟車種としても知られ、好調な売れ行きを見せています。
新型ノアは、大人数が乗れて、荷物もたくさん積めるので、家族連れにおすすめのミニバンです。毎日の買い物から長距離の移動、流行りのキャンプやアウトドアまで、アクティブな家族を応援するクルマです。
堂々としたモダンさと上質さを集大成した新デザインの標準ボディは、力強いボクシーシルエット、力強く精悍なフロント、仕立てのよさが特徴です。
ヴォクシー
ヴォクシーはスポーティなデザインで大人気のミニバンです。
トヨタにはヴォクシー、ノア、エスクァイアという3つのミドルミニバンがありますが、その中でもヴォクシーは一番人気です。スタイリッシュなクールな外観、広い室内、乗り降りのしやすいデザインで、最大8人がゆったりと座れる快適な車内を生かし、ファミリー層にとても人気があります。
また、ヴォクシーは、究極のラグジュアリーなドライビングを実現するための機能をふんだんに搭載しています。視認性を向上させるオートライトシステムや、今までにない操作性を実現するi-fourドライブシステムなど、ヴォクシーには誰もが楽しめる機能が満載です。
ステップワゴン
ホンダ ステップワゴンは、2022年5月に6代目にモデルチェンジしました。室内がとても広く、荷物もたくさん積めるほか、快適な子育てや介護にも配慮しています。
全グレードにHondaのハイブリッドシステム「e:HEV」、Hondaの走行安全システム「Honda SENSING」、フルLEDヘッドライトを搭載し、エントリーグレードでも充実の標準装備となっています。
また、「SPADA」をベースにさらに装備を充実させた「SPADA PREMIUM LINE」を設定し、「SPADA」よりもさらに上質で豪華な仕様としています。
e:HEVはFFのみの設定なので、4WDが必要な方はガソリンエンジン車をお選びください。
まとめ
今回は、デリカD:5の特徴やスペックについて紹介しました。
ミニバンとSUVのいいとこ取りをしたデリカD:5は、多くの人におすすめできる自動車です。広い室内空間はファミリーユースに適していますし、収納力や走行性能はレジャーにも活躍するはずです。
特にキャンプやアウトドアが趣味のファミリーにはピッタリの一台です。